コラム
事務局便り<No.29> 第12回シンポジウムは盛会裏に終了しました.
2024年11月12日
第12回シンポジウムは119名の大変多くの皆様に参加頂き盛会裏に終えることができま
した.皆様のご参加・ご協力に深く感謝申しあげます.
中村理事長からは,当協会の役割や活動(見学会、出版活動など)の紹介,2023年11
月に日本(浜松)で開催された光ファイバセンシング国際会議(OFS-28)の報告,また,
次回のOFS-29(ポルトガル(Porto))の案内がありました.
基調講演「分布型光ファイバセンシングが拓くインフラの未来」(鹿島建設(株)川端
淳一様)では、過去における土木・建築に対する考え方が近年ではそのありようが大きく
変わってきており,その中で,光ファイバセンサの特長(インフラの見守り,施工・維持
管理の合理化,インフラの付加価値化)を生かした社会展開が期待されていることが述べ
られました.また,近年の鹿島建設でのいくつかの社会実装についてその事例を紹介いた
だきました.さらに,既存の通信網との融合によるインフラ見守りのパラダイムシフトへ
の期待を語っていただきました.今後の光ファイバセンサ普及に向けた課題としては,コ
スト,ニーズに応じたソリューションへの提示を上げられ,効果的なソリューションの提
供のためには,ステークホルダである ①計測器・材料メーカ ②インフラ建設事業者 ③イ
ンフラ事業者 ④インフラ利用者が認識を共有し、利益を共有することで効果的なソリュー
ションを生むことを強調されました.川端様の体験談を含めた講演に共感された参加者も
多く、講演後の質疑応答も活発で,会場は大いに盛り上がりました.
「デモ機/ポスター並びに実用センサ見学・体感コーナー」では,デモ機展示・パネル/
ポスター展示に11社が展示を行い,多くの皆様が熱心に各展示ブースでの説明に耳を傾け
ていました.
初めての企画であるパネルディスカッションでは,「DAS(分布型音響センシング)の
現状と可能性 -普及に向けて- 」をテーマに,パネリスト7名から適用例や課題について報
告が行われました.DASの活用においては ①専用の光ファイバケーブルあるいは既存の通
信用光ファイバケーブルを利用する ②既存の光ファイバケーブルを使用する場合(ダーク
ファイバ)は場所による感度のバラツキなど課題も多い ③AIを含む信号処理技術が注目さ
れている ④通信事業者の光ファイバセンシングプラットフォーマーとしての役割 ⑤標準
化に関する議論など様々な角度から課題やその解決方向が報告されました.今後,オープ
ンイノベーションの活用やコンソーシアムによる協業などの必要性についても議論がなさ
れました.本パネルディスカッションを通じて,DASの普及促進に向けた足がかりが築け
たものと思われます.
シンポジウム終了後の技術交流会(名刺交換会)には77名の参加を頂き、新技術・ビジ
ネスに関する情報交換など大いに盛り上がりました。
来年も、皆様に興味を持っていただけるようなシンポジウムを企画しますのでご期待く
ださい。
(事務局長)
基調講演 会場の様子
展示の様子 パネルディスカッション